
大会長挨拶
第37回兵庫県理学療法学術大会
大会長 前重 伯壮

このたび第 37 回兵庫県理学療法学術大会を令和 8 年 10 月3日に開催する運びとなりました。
大会テーマを「実装の追求」としました。「実装」とは、何らかの機能や仕組みを実現するための具体的な装備や手段を組み込むことと定義されます。医療・保健の分野においては、人々の疾病予防・改善や社会レベルでの健康増進を目的として、「もの・システム・サービス・制度」を創り出し、社会に組み込むことを意味します。理学療法士が対象者を支援する取り組みが実装化されることで、多くの人が平等に恩恵を得る機会が生まれます。これはSDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」にも沿う観点であり、高齢化社会の代表例であるわが国での実現が、先進例として世界から注目されています。
一方で、わが国の理学療法分野における「実装」に対する意識は、十分でしょうか。日本人特有の高い技術力や細やかな観察眼を基とする高度な理学療法が実在するものの、それを共有し、既存の枠組みを超えて社会に広く根付かせる「実装」については、後回しにされてきたことが否めません。また、多様化する理学療法社会の中では、確かなパフォーマンスを保証・共有することがこれまで以上に求められるものの、そのための「実装」については依然課題が残る状況です。
そこで、本学術大会では、理学療法社会において「実装」を強く意識する機会を提供します。社会での理学療法の位置づけを拡大することを願って「理学療法が駆動するもの」に目を向け、それぞれの社会・領域での理学療法の質の向上・共有の実現を願って「理学療法を駆動するもの」を意識する二つの観点を柱として、「実装」を追求します。
本大会が、理学療法分野における実装力の向上を刺激し、日本の縮図と称される兵庫県において理学療法の真義を発掘・再定義して、次代のリハビリテーションを切り拓きます。
第 37 回大会の実装に、ぜひともお力添え頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
